お父さんと花火
ゆうた君は、小学校6年生。走るのが、遅いのが悩みです。
今日の体育の時間は、リレーの練習でした。ゆうた君は、どきどきしてきました。
順番がきて、ゆうた君が走り出すと、すぐに1人抜かされ、もう少し走ったところで
2人が抜かして行きました。結局、ゆうた君のチームは最後になってしまいました。
友達が、「ゆうたは、本当に走るのが遅いなぁ。」、「歩いてるんだか、走ってるんだか
わからないんだよ。」と、はやしたてます。
ゆうた君は、泣きたいのをぐっと我慢して家に帰りました。お父さんが、「ゆうた、花火大会
に行こう。」と声をかけてくれ、連れて行ってくれました。
打ち上げられる花火は、夜空に咲いた大輪の花のようで、ドーンという大きな音が
おなかに響きます。ゆうた君は、花火をみていると、ちょっとスカッとしてきました。
お父さんが、「父さんも、いろいろ悩みがあったけど、今、こうして大人になって、
働いている。今、つらくても、大人になったら、なんだそんなことかって思えるように
なるさ。」って言いました。
花火をみながら、ゆうた君はちょっぴり勇気がわいてくるのでした。

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