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水泳

 ひろしくんは、夏が嫌いじゃ。プールの授業があるからなんじゃ。

ひろしくんは、全然、泳げん。小せぇ頃、プールでおぼれかけてから、

ひろしくんは、水がこおぉておえんのんじゃ。お父さんが、「特訓しちゃる」

ゆうてプールに連れて行くんじゃけど、プールに入るんも、でぇれぇ覚悟せにゃぁ

おえんのんじゃ。ようやっと、水の中に体をつけることはできるようになったけど、

まだ、けのびができん。うつぶせで、水に浮かぶんやこう、どう考えても無理じゃ

と思うてしまう。

 へぇでも、お父さんが、体を支えて浮かせてくれるようにして、なんとか、けのびは

できるようになった。せぇから、クロールの練習じゃ。足をバタバタさせて、手を

ぐるぐる回し、泳ぎょんか、おぼれとんかわからんような格好で、かろうじて

すすんでいく。でも、息継ぎをしたら、もうだめなんじゃ。

お父さんは、仕事が休みの日はいつも気長に、ひろしくんをプールに連れて行った。

ひろしくんは、いっつもバタバタと水しぶきをあげて、ほんのちょっと泳いだら

足をついて終わりじゃった。

 でも、今日は、いつもとちがう。水の抵抗を感じん。自然に、すいっと泳げた。

いつのまにか、ひろしくんは泳げるようになっとったんじゃ。

夏のお日様が、にこにこ笑いながら、ひろしくんを照らしていた。

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