« 迷子の私 | トップページ | 未来からの手紙 »

こまった まくちゃん

 ある山に、小さなおうちにくらしている三匹のくまの家族がいました。

 お父さんも、お母さんも、ひとりむすこのまくちゃんを、とてもかわいがっていました。

 なのに、まくちゃんは、反対のことばかり言う子になってしまいました。

 おいしいハチミツをあげても、まくちゃんは、

「あんまり、おいしくない。」

と言いながら、ペロリと全部たいらげてしまいます。

 まくちゃんに、

「今度、ハイキングに行こう。」

と言うと、

「そんなのつまらない。」

なんて言うんです。

 お父さんと、お母さんは、まくちゃんが、本心から、そう言っているのかどうか

たしかめたくなりました。

「つまらないだろうけど、ハイキングに行ってみようよ。」

と、山の広場に行ってみました。

 緑の中を歩いていると、まくちゃんが、

「お父さんも、お母さんも、早く早く!」

と言って前をかけって行きます。

 お母さんは、

「まくちゃんの早くは、ゆっくりってことでしょ。」

と言って、ゆっくりゆっくり歩いていきます。

 まくちゃんは、お花畑につくと、一面に広がるチューリップの花をみて、

「うわぁ、きれいだぁ。」

と言いました。お父さんは、

「まくちゃんが、きれいだって言うんなら、そんなにきれいじゃないんだね。」

と言いました。

 だんだん、まくちゃんは悲しくなってきました。

「お父さんも、お母さんも、反対ばっかり言って大っきらい。」

おやおや、まくちゃんは自分の気持ちに正直になったみたいです。

 お父さんも、お母さんも、

「ほらね。反対ばかり言ってると、みんないい気持ちじゃなくなるのよ。

今日からは、自分の思ったことを正直に言ってね。」

と言うと、まくちゃんと山の広場で楽しく遊びました。

空にはぽっかり白い雲がうかんでいました。

にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

|
|

« 迷子の私 | トップページ | 未来からの手紙 »

お話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 迷子の私 | トップページ | 未来からの手紙 »